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かみ合わせの診査(咬合診査)について

こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で診療をしておりますヒデ歯科クリニックです。

今回は保険診療と自費診療の違いと、当院でおこなっているかみ合わせの診査についてお話をしていきます。

日本の保険制度は、病気になれば誰もがいつでも病院にかかれるという世界でも稀有な制度であり、全国津々浦々、どの病院でも同じ治療費で同じ内容の治療を受けられます。しかし、ドクターによって技術の差があるのは自明のことです。漫画の世界ではないので、研修医上がりの先生と臨床経験が10年以上ある先生では経験の差と技術の差が大きく違うはずです。さらに、いくら丁寧に治療をしたとしても費用は変わらないのです。当院では基本的に1名の方に30分の時間をいただいておりますが、15分で2名以上を診るクリニックもあります。

ただ、保険の治療は、虫歯治療、歯周病治療等、皆さんが健康になるために必要な治療を世界的に見て格安に設定されており、誰しもが健康になれるチャンスを国からいただけています。虫歯のない方やあっても小さい虫歯の方、歯周病の軽度の方は早期に歯科医院に来院され、適切な保険治療を継続的に受けていらっしゃると、国の目標である「80歳で20本以上」どころか「90歳で20本以上」歯を残すことは可能だと思います。

しかし、虫歯の本数が多い人やかみ合わせが悪く歯の並びが良くない方は話が異なってきます。保険診療というのは「最低限噛めるようになるための治療」であり、原因の根本的解決には不向きなのです。治療を行うには診査を行い、診断つまり病名を付けないといけないのです。保険治療では、かみ合わせの診査、歯並びの検査といったお口全体を診るための診査項目はありません。そのため、適切な診断をつけられなく、治療計画とゴールが立てられません。

そもそも、虫歯の多い方や虫歯の再発の多い方はかみ合わせの不調が原因になっているケースが多いです。まったく歯磨きをしたことがなく、お菓子をだらだらと食べているといった典型的な虫歯タイプの方はほとんどいません。当院では、かみ合わせが原因で上下左右に虫歯の多い方、被せ物の下から虫歯が再発している方には、安全なかみ合わせを探し、理想に近づけられるようにゴールを設定する目的で、かみ合わせの精密検査を提案させていただいております。内容は上下の歯型を採り、安全な位置でのかみ合わせを咬合器という装置に取り付けます。そうすることで患者様のお口の動きを再現することができ、どこがぶつかっているか、どこが当たっていないかをじっくり見ることができます。そして、お口の写真とお顔の写真を撮らせていただきます。その写真をもとに、どこに問題があるのか、かみ合わせの位置を調整することでお顔の年齢を若返らせることができるのかを診査します。それらの情報を基に、歯型の上からワックスアップを行い、一時的に使用する仮歯(テックと言います)を作成し、ゴールの形をつくります。ゴールが見えていれば、まっすぐに進めていけます。ものすごく時間と技術のいる作業なのですが、保険がきかないために自費治療となっております。

悲しいことに保険治療では手探り状態になり、「木をみて森をみない」治療にならざるをえないです。すべての来院者のは、これからの平和な人生の為に「森をみて木を丁寧にみる」治療を受けていただきたいとはいつも思っております。

ただ、患者様が何を望み、どこに価値を感じるかは千差万別です。当院では患者様が納得される治療を行っていきます。保険治療でも合格点の治療を目指しております。それでも、ちぐはぐな治療を受けられないためにもきちんと診査し診断を受けていただきたいと思っております。今回の話で、歯科治療における保険治療と自費治療の位置づけが違うということを知っていただけるだけでもありがたいです。ぜひ後悔のない選択をしてください。

院長写真

監修記事 
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)

大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業

90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。