よく噛んで、味わって!その3
- 2021/07/04
- かみ合わせ、顎関節症
こんにちは、平和堂フレンドタウン深江橋の2階で開業予定のヒデ歯科クリニックです。
先日、城東区の歯科医師会の先生方へのご挨拶をさせていただきました。
先生方から「平和堂の方がわかりやすいよ」とお言葉をいただきました。
なので、当院を「平和堂にある歯医者さん」と皆さんが覚えてくださると嬉しいです。
それでは、続きを話していきましょう。今回はお食事中の方は少しご注意ください。
「いー:胃腸快調」ですね。口も食道、胃、腸管といった消化器官の一つです。私たちはよく口を排水口に例え、口の汚れは排水口の汚れと同じバイ菌の塊で、水を流すだけでは汚れはとれませんよとお伝えさせていただいております。消化管も同じく排水口からのパイプに例えることはできます。つまり、排水口の汚れをそのままにしておくと、パイプにも汚れがつき、さびや詰まりの原因になります。私たちの身体の中だとどうでしょうか?
よく噛まないと唾液の分泌量は減少します。口腔乾燥になると水分を補うために胃酸が逆流してくると言われております。そうすると食道や胃の噴門部でのひどい炎症である逆流性食道炎になりやすくなります。
また、食事をよく噛んで味わうということは、食べ物を唾液によく混ぜることになりますが、これが誤嚥による肺炎を防いだり、胃での消化活動を助けることになるそうです。
そして、よく噛んで細かくなった食物繊維や胃でよく消化されたものは小腸でよく吸収されます。食物繊維は善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌のエサであり、善玉菌が食物繊維を食べることによって悪玉菌が住みにくい環境をつくったり、私たちの免疫機構を安定させる働きがあります。これを共生関係と言いますが、潰瘍性大腸炎はこの関係の破綻が原因ではと考えられております。
また、管理栄養士の幕内秀夫氏は、5分づき白米のご飯と歯応えのあるお漬物が丈夫な身体をつくると記されております。焼肉やイタリアンなどのご馳走はたまのご褒美として、普段は私たちの消化管にやさしい和食を食べると良いのかもしれませんね。食材は是非、1階の平和堂さんで購入してくださると嬉しいです。
最後に「ぜ:全身の体力向上と全力投球」をお話しします。よくかめる噛み合わせは身体のバランスを保つために大きな役割を担っています。左右の奥歯でしっかりと安定して噛めていると全身に力を伝えやすくなり、その点からアスリートの方は歯を大切にされていると聞いたことがあります。最近テレビに出て有名なのが神戸のN歯科さんですね。名前が少し怪しい感じはしていますが、行っていることは至って普通のことのようです。要は、歯をすっと閉じてくる時に引っ掛かりがなく、左右均等に当たるように咬合調整を行うというものです。
そして、私が尊敬する山﨑長郎先生、内藤正裕先生、本多正明先生(日本の歯科界のBIG3)の考えを拝借すると、きれいに並んで、頑丈で、メリハリのある形が大切だということです。歯を使うのは食事がメインなので、効率的によく噛める形じゃないとダメだと解釈をしています。
脱線をしてしまいましたが、よく噛んで栄養をしっかり摂取することで、全身の健康と体力を向上するのは理論的には正しいです。あとは実践あるのみですが、特にエンジェルスの大谷選手はしっかりと噛んで育ってきたのかもしれませんね。
監修記事
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)
大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業
90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。