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よく噛んで、味わって!その1

こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で開業を予定していますヒデ歯科クリニックです。

昨日、城東区役所に行った際、興味深い掲示板を見かけました。それが冒頭の写真ですが、とても良い食育テーマですね。
「よく噛んで、味わって」は歯科において一番大事なことだと、食道楽の私は思います。今回は、掲示板に書かれている「卑弥呼の歯がいーぜ」を歯医者さんの観点から見ていきましょうか。

まずは「ひ:肥満予防」に関して、よく時間をかけて噛むことで視床下部の満腹中枢が働く時間を稼ぎ、食べ過ぎを防ぐとのことです。もっと詳しくお話をすると、咀嚼の刺激により視床下部のヒスタミン神経系が活性化します。すると、脳内でのヒスタミンの量が増え、このヒスタミンが満腹中枢を刺激するため、満腹感が満たされるのだそうです。

次に「み:味覚の発達」に関してですが、食べ物をよく噛むことで私たちの口の中に変化が生じますよね。つまり、唾液がよく出ます。食べ物の中には味物質があり、これが唾液に溶け出すことで、舌にある味覚を受け止める味蕾(みらい)の味受容体に受け取られるとのことです。リガンド(今回は味物質のこと)の刺激がなくなれば、細胞は活性化されず廃用萎縮してしまいます。味覚障害を生じさせないように唾液分泌を増やすことが大事であり、そのためにはよく噛むことが大事だよね、ということでしょう。

「こ:言葉の発音はっきり」に関してです。言語の発音をはっきり出すには口がどういう状態であれば良いでしょうか?唇を綺麗に閉じる筋力、前歯の歯並び、舌の筋肉などが考えられますが、今回はお口の容積に関してお話をして締めにしようと思います。よく噛むことでお口の周りの筋肉が鍛えられます。そして、噛んでいる最中はお口を閉めることによりお鼻で息をします。この鼻呼吸の時には舌は上あごの裏側である口蓋(こうがい)を押し付けます。つまり、よく噛むことにより外側の筋肉が鍛えられ、それによりあごの骨が外向きに大きくなります。さらに鼻呼吸により舌で上あごを内側から押し広げます。そうしてお口の中が3次元的に(幅×奥行き×高さ)広がり、大きな声が出るのだと考えられます。

今回の最後に、よく噛むためのヒントをお伝えいたします。それは、椅子の高さを足が踏ん張れる高さにし、両足の裏をしっかりついて、背筋を伸ばし、姿勢をよくすることです。姿勢をよくすることでよく噛みやすくなり、お子さんの歯並びが綺麗に育ちやすいことは矯正の著名な先生がおっしゃっていました。

つづきはまた次回にいたします。

院長写真

監修記事 
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)

大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業

90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。