歯科医院に通う理由 後編
- 2021/06/08
- 治療方針
こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で開業予定のヒデ歯科クリニックです。
それでは続きをお話ししていきましょう。
2つ目のバランスについてですが、これはお口や顔の筋肉や骨格のバランスという意味です。例えば、右側の奥歯がなくなってしまった場合を考えます。右の奥では物が噛めない状態なので、左側でのみ食べ物を噛むようになります。そうすると咬筋、側頭筋や表情筋のうち左側だけが鍛えられることになります。これでまず顔の左右のバランスが違ってくるようになります。そのあとは、首や肩や全身の筋肉へも影響が出てきます。
3つ目は腸内細菌への栄養ということですが、私たちの腸内には善玉菌として乳酸菌やビフィズス菌などが住んでいます。乳酸菌やビフィズス菌は食物繊維を栄養として短鎖脂肪酸をつくり出します。酢酸や酪酸などが短鎖脂肪酸です。この短鎖脂肪酸によって酸に弱い悪玉菌が住めない環境をつくったり、制御性T細胞という炎症の火消し役の細胞を増やす働きがあります。
では、咀嚼をすることがなぜ腸内細菌への栄養につながるのでしょうか?野菜や果物をよく噛むことによってその中の食物繊維を細かくします。そうすることで食物繊細が腸に送られた時に善玉菌が消化をしやすくなります。よく噛まない場合だと、せっかくの食物繊維が消化しきれず排出されてしまいます。もったいないですね。
ここで、本題に戻りますと、なぜ歯科医院に通うかということですが、それは歯を失わないためと健康習慣を身につけるためだと私は考えております。小さい時から1本1本の歯を大切にし、毎日歯についた汚れを落とし、定期的に細かい診査を受ける習慣が歯を永く残す上で大切です。
健康な生活習慣を手に入れるために歯医者さんをより身近に感じていただけると幸いです。
監修記事
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)
大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業
90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。