よく噛んで、味わって!その2
- 2021/07/02
- かみ合わせ、顎関節症
こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で開業予定のヒデ歯科クリニックです。
さて、前回の続きを話していきましょう。
「の:脳の発達」についてですが、こちらは過去の記事で触れておりますので、そちらに委ねようと思います。
歯科医院に通う理由 前編
次に「は:歯の病気予防」についてです。少し脱線しますが、歯の病気というのは、虫歯と歯周病がほとんどです。これらの原因はバイオフィルム(細菌叢)の質の変化だと最近は考えられています(dysbiosis)。バイオフィルムはプラークや歯垢と同義です。では、なぜ質が変化するのでしょうか?バイオフィルムが時間とともに成熟し、様々な細菌が寄ってきます。ところが、細菌というのも身内で周りを固めたいと考えており、そのために酸を出したり、アンモニアを出したり抗生物質を出したりします。つまりは、バイオフィルムを放置しておくと、いつの間にか虫歯になりやすい集団や歯周病になりやすい集団ができ、その結果虫歯や歯周病が進行してしまうと最近は考えられています。では、よく噛むとなぜこれらの病気が予防できるのでしょうか?それはよく噛むことにより唾液が出るからです。唾液には自浄作用があり、細菌の餌になる食べカスを洗い流してくれます。ただ、粘着性の食べ物や歯に残りやすい食べ物があったり、バイオフィルム自体は洗い流せないことから、歯のクリーニングは毎日必要になります。
「が:がん予防」についてです。西岡によると、唾液の中にはペルオキシダーゼが存在し、それがお肉の焦げやカビ毒のアフラトキシンなどの発がん性物質の毒消しを行なっていると報告しています(日本咀嚼学会、1991)。なので、焼肉を食べる際は、よく噛んで唾液をいっぱい出してみると良いのかもしれません。
続きはまた次回に致します。
それでは、引き続きよろしくお願いします。
監修記事
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)
大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業
90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。