歯の移植の話 その2
- 2022/03/03
- 口腔外科
こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で診療をしておりますヒデ歯科クリニックです。
引き続き移植の話をしていきたいと思います。
前回の終わりに移植の種類について軽く触れました。
まずは親知らずの移植の話です。歯の移植と言えば、大体が親知らずの移植です。親知らずがまっすぐ生えている場合という限定的な話にはなりますが、第一大臼歯や第二大臼歯が保存困難で残せない(ホープレスと言います)状態のときに移し替えることができます。下記の写真は患者さんの許可を頂いて掲載しております。
移植前
移植後
移植後には、2週間から4週間の固定と根管治療が必要になります。下図は、根管治療および水酸化カルシウム製剤の貼薬後の写真です。この状態で2カ月以上安静にし、レントゲンで安定していることを確認したら、根管充填、支台築造からの補綴処置に移ります。これでやっと噛めるようになります。また、仮歯の状態にしてから全顎矯正治療のアンカーとして使用することも可能です。これもすべて歯根膜という縁の下の力持ちのお陰なのです。ただ、移植歯と骨が直接くっついてしまうアンキローシスという状態に陥る可能性がありますが、最初に移植歯を移し替えたときにギチギチに固定しないことがこれを防ぐ対策だと言われております。
ここで、移植した歯に根管治療が必要な理由は何でしょうか?
この話はまた次回に致しましょう。
奥の歯がなくなって食事にお困りの方は相談ください。
監修記事
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)
大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業
90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。