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歯の移植の話 その1

こんにちは、フレンドタウン深江橋の2階で診療をしておりますヒデ歯科クリニックです。

今回は歯の移植についてお話をしていきたいと思います。

大臼歯、特に6番目の歯は噛み合わせの圧力に耐えるのに最も理に適った形をしておりますが、虫歯や歯周病や外傷などでこの歯を早期に失ってしまう方がいらっしゃいます。この方の治療方法としては、歯を失う前の状態に近い状態を再現し、かつ手入れがしやすい状態にするのが最良です。両隣の歯を削って代用の人工材料を用いる入れ歯やブリッジと呼ばれる方法は、歯の手入れや噛み合わせの力の分散という面で考えると出来れば避けたい治療方法です。では、最善の治療方法は何でしょうか?

現在の歯科医療においては、インプラント治療がベターだと考えられます。ただ、ベストではなく、ベターなのです。なぜなら、フィクスチャーと呼ばれるインプラント体部分は骨と直接的にくっつくからです。これはオッセオインテグレーションと呼ばれる驚きのメカニズムなのですが、私たちの歯には本来は歯根膜と呼ばれるショックアブソーバーが備わっているのです。つまり、噛む力を分散してくれる機能が歯には本来あるのですが、インプラントの場合はこの機能がなく、大きな力が長くかかりすぎると脱離や破損の可能性が存在します。

では、よりベストに近い治療方法は何でしょうか?それは親知らずの移植です。親知らずの移植の際は歯根膜を生かして埋め直すので、治療が成功すれば歯根膜の機能を再利用することが出来ます。ただ、ベストと呼べないのは、親知らずの根っこの形が過大な力に耐えられる形ではないのと、根っこが完成した親知らずの移植では、根管治療が必要になることが関係しています。虫歯や歯周病や外傷の再発の可能性を残してしまうのです。また、移植の前に根っこの治療を受けている親知らずは、移植後に歯が吸収されて脱落する可能性があるので利用には工夫が必要です(矯正移植)。ただ、それらの点を含んだとしても歯の移植に勝る治療は今のところないと私は考えております。

歯の移植には、下記の2種類があります。

① 親知らずの移植

② 矯正移植(林治幸氏考案)

次回は、具体的な症例を提示しながら、続きをお話ししていこうかと思います。

院長写真

監修記事 
院長 板東 秀典(ばんどう ひでのり)

大阪大学歯学部卒業
すもと歯科クリニック・とがわ歯科クリニック 副院長を経て、
2021年7月 ヒデ歯科クリニック 開業

90歳で20本以上健康な歯を残す「9020(キューマル・ニーマル)」をスローガンに掲げ、虫歯治療から予防治療・歯周病・インプラント・お子様の治療など多岐にわたる診療に従事している。